中日から1位指名され、ヤマハの女子社員から祝福される鈴木博志 (c)朝日新聞社
中日から1位指名され、ヤマハの女子社員から祝福される鈴木博志 (c)朝日新聞社

 清宮幸太郎に野手では史上最多に並ぶ7球団が競合した今年のプロ野球ドラフト会議。数多くの抽選が行われサプライズもあったが、各球団の指名について的確な補強だったのかを基準に採点を行った。今回はセ・リーグ編をお送りする。

中日:80点
1位 鈴木博志(ヤマハ・投手)
2位 石川翔(青藍泰斗・投手)
3位 高松渡(滝川二・内野手)
4位 清水達也(花咲徳栄・投手)
5位 伊藤康祐(中京大中京・外野手)
6位 山本拓実(市立西宮・投手)
育成1位 大蔵彰人(徳島インディゴソックス・投手)
育成2位 石田健人マルク(龍谷大・投手)

 抽選で中村奨成(広陵)を外して捕手は補強できなかったものの、チームの若返りを図る意図が強く感じられる指名を評価した。特に2位から6位までは全員が高校生であり、落合博満GM時代とは大きく異なっている。石川、清水、山本の3投手は今年の高校生を代表する右の本格派であり、若手投手陣の底上げに繋がった。1位の鈴木もリリーフ陣を厚くしたい球団の思惑にぴったり当てはまる選手だ。

■DeNA:70点
1位 東克樹(立命館大・投手)
2位 神里和毅(日本生命・外野手)
3位 阪口皓亮(北海・投手)
4位 齋藤俊介(JX‐ENEOS・投手)
5位 櫻井周斗(日大三・投手兼外野手)
6位 寺田光輝(石川ミリオンスターズ・投手)
7位 宮本秀明(パナソニック・内野手)
8位 楠本泰史(東北福祉大・内野手兼外野手)
9位 山本祐大(滋賀ユナイテッドBC・捕手)
育成1位 中川虎大(箕島・投手)

 12球団で唯一単独指名で東を指名。豊富な左腕にまた一枚実力者が加わった。齋藤、寺田はリリーフで即戦力として期待できる選手で、阪口は将来のエース候補。投手陣の補強はほぼ狙い通りに行えた点を評価したい。野手も顔ぶれは悪くないが、リードオフマンタイプが多く、将来の中軸候補を獲得したかった。そういう意味では櫻井は野手としての可能性を伸ばしたい選手である。

■広島:60点
1位 中村奨成(広陵・捕手)
2位 山口翔(本工・投手)
3位 ケムナ・ブラッド誠(日本文理大・投手)
4位 永井敦士(二松学舎大付・外野手)
5位 遠藤淳志(霞ケ浦・投手)
6位 平岡敬人(中部学院大・投手)
育成1位 岡林飛翔(菰野・投手)
育成2位 藤井黎來(大曲工・投手)
育成3位 佐々木健(小笠・投手)

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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