海外出張や社内公用語の英語化など、短期間で英語の習得を求められる人も多いだろう。ビジネスパーソンから絶大な信頼を寄せられる英語パーソナルトレーナーの河野木綿子さんによると、短期間で結果を出す人の勉強法には共通点があるという。挫折せずに結果を出すためのビジネス英語学習のコツを、「AERA English 2017 Autumn & Winter」(朝日新聞出版)で伝授してくれた。
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(1)なりたい自分を決める
何のために英語を学ぶのか、具体的な目標とビジョンを持つことが重要。「会議で意見を英語で述べる」「仕事の8割を英語でできるようになる」など、なりたい自分を決め、実現するとどんないいことがあるのかまでイメージすると効果的。3カ月後、半年後、1年後の自分を描き、その目標達成のために必要なことを明確にしていく。アスリートのイメージトレーニングのように、「自分はできる」と信じよう。
(2)スタートダッシュが大切
最初の3カ月は英語学習に集中し、休まず英語にふれるようにしよう。新たに始めたことが定着し、能力や行動に変化がはっきりと表れ始める目安は3カ月。結果がなかなか出てこない2カ月ごろが最もつらい時期だが苦しくても走り続けて乗り越えてほしい。長い人生のうちの、わずか3カ月間。大切なスタートダッシュの時期と割り切り、短い時間でよいので毎日続けることが挫折しないコツ。
(3)プロの力を借りてみる
英語学習で何をやればいいかわからない人、長年続けているのに英語力が伸びない人は英会話スクール、英語トレーナーなど「プロ」の力を借りるといいだろう。どの教材で何をすれば効果的なのか、その道の専門家のアドバイスを聞いて実践してみることは大事。試して自分に合わなければ、ほかの学習法を探せばいい。自分では気づかない弱点もプロは指摘してくれ、行き詰まったときは相談もできる。
(4)仕事と同じように、英語も「アポ」を入れる
挫折の理由にありがちなのが「仕事が忙しくて」。だが、仕事を常に優先していては、上達の秘訣である「英語学習の習慣化」はできない。仕事と同じ優先順位で自分に「英語学習のアポ」を入れ、手帳に書き込もう。ポイントは自身でコントロールできる時間帯に予約すること。3カ月だけ毎朝30分早起きし、英語の時間を確保するのもひとつの方法だ。忙しくても英語学習を先送りしないことが大切。