共謀罪、待機児童、格差問題に始まり、森友・加計学園問題から政治家の暴言や不倫、不正まで、ここ数年、テレビやネットをにぎわしている「政治」の問題。ネット上ではさまざまな意見が飛び交い、主張が対立することもしばしばだ。
しかし、「政治」とはそもそも、どういうものなのだろうか。若手イケメン憲法学者としても知られる木村草太さんが、AKB48の加藤玲奈さん、向井地美音さん、茂木忍さんの3人に行った政治の授業をまとめた本、『日本一やさしい「政治の教科書」できました。』(朝日新聞出版)から、「そもそも政治とは?」という授業を紹介したい。
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■AKB48の中にも「政治」はある
木村草太:いきなりですが、皆さんは「政治」と聞いて何を思い浮かべますか?
加藤玲奈:いきなり「政治とは?」と言われても、正直なところ、よく意味がわからないです。
向井地美音:私は18歳になったばかりですが、選挙権をもったことで、周りの大人からも「政治にかかわれるオトナになったね」と言われます。
茂木忍:難しい言葉っていうイメージがあります。いざ「政治」の意味を問われると、うーん、難しいです……。私たちはどうやって政治にかかわればいいんでしょうか?
木村:「政治」という言葉にはさまざまな定義があります。簡単に言うと、政治とは「たくさんの意見や価値観がある中で、一番いいと思うものをひとつ決め、その決定に皆が従うこと」だと私は理解しています。
この定義に当てはまるものは、別に国の政治だけではありません。例えば、子どもたちが「鬼ごっことおままごとのどっちで遊ぶか決める」のもひとつの立派な政治です。
鬼ごっこをやりたい人とおままごとをやりたい人がいる中で、皆でどっちで遊ぶかを決めて、決めたほうに全員が従うわけです。このように日常生活の中でも、色々な意見があるけれど、ひとつの方針を決めてそれに従うという経験は、結構たくさんあると思います。