7月24日、早稲田大学で、ジャーナリストの津田大介さんによる特別授業が行われた。ゲストにAKB48の茂木忍さん、週刊朝日編集長の佐藤修史さんを招き、政治やメディアに対する若者の関わり方について、さまざまな意見が繰り広げられた。
津田さんは先月、憲法学者で首都大学東京教授の木村草太さんとともに、AKB48のメンバーを生徒に、政治やメディアの仕組みをわかりやすく解説した『日本一やさしい「政治の教科書」できました。』を発売したばかりだ。二人の授業を受けてから、「政治について真剣に考えるようになった」と、茂木さんはイベントで語ってくれた。
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「正直、選挙と言われても、最初は自分には縁遠いものとしか思えませんでした」
18歳当時、政治や選挙に対して抱いていたイメージを、茂木さんはこのように語る。茂木さんが「18歳選挙権」についての新聞連載企画に参加したのは、一年以上前。そこから半年かけて、木村さんや津田さんの講義を受けるうちに、政治に対する意識が大きく変わっていったという。
「昨年7月の参院選では、期日前投票をしました。投票というと、手続きが複雑そうなイメージがあったのですが、実際にやってみると思った以上に簡単でしたね」
投票の際、茂木さんは、津田さんから聞いた「消去法で候補者を選ぶ」やり方を参考にしたそうだ。自分と100%同じ考えを持つ候補者を選ぶことは難しい。ならば、「自分の手柄ばかりアピールする」「公約があいまいで具体性に欠ける」などのNGポイントを挙げて、それに当てはまる人を除外していくと選びやすいと、津田さんは語る。
「大切なのは、選挙を通じて、国に対して自らの意思を示すこと。投票の経験を積むことで、候補者を選ぶ自分なりの“ものさし”も出来てきます」
とはいえ、実際には判断を下すのが難しい場合もある。例えば、今年7月に行われた都議選では、築地市場の移転問題が、争点の一つとして大きな話題となった。これについて茂木さんは、「誰の言うことを信じればいいのか、わからなくなった」と話す。
「関心があって、いろいろなニュース番組を見ていたんですが、結局どの主張が正しいのか、自分では判断できなくて。移転推進派も、反対派も、どちらの言い分にも一理あるというか……」