若い歯科医師のほうが、実はマナーがいいらしい…(※写真はイメージ)
若い歯科医師のほうが、実はマナーがいいらしい…(※写真はイメージ)

 なぜ治療が1回で終わらないのか。なぜ次の予約が翌日にできないのか――。通院するほど「なぜ?」が多くなる歯科。そんな素朴な疑問を、週刊朝日MOOK「いい歯医者2017 誰も教えてくれなかった歯科の選び方」では、実際に現場で活躍する歯科医に尋ねてみた。

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【Q:なぜ治療が1回で終わらないの?】

A:「なんで何回も治療に通うの? いっぺんに治療して!」と不満を持つ人は少なくありませんでした。でも、何日もかけて治療するのは、その必要性があるからです。ここでは「根管治療」を例に説明しましょう。

「エナメル質にとどまるような小さなむし歯なら1回で終わります」というのは、3人の歯科医師共通の意見です。でも多くの場合、むし歯が進行したり、歯周病が進んだりしてから歯科医院にかけこむので、治療に時間がかかるのです。

 とくに時間がかかるのは根管治療です。歯の根(根管)に細い金属を差し込んで感染した神経を除去し、根管の形を整えるのですが、その根管は非常に細く、太い部分で1ミリ弱、先端に行けば0.1ミリ。曲がっていたり、枝分かれしていたりするうえ、大臼歯なら歯の根は3、4本。しかも口の奥なので見えにくく、手探りの作業になります。1本の根の治療に4、5回かかることも。

「奥歯の根管治療に10回も通わされたなら、良心的な先生と出会ったと喜ぶべきかもしれませんよ。歯科医院にとって、根の治療は手間がかかるわりに治療費は安いのです。それでも丁寧に地味な治療を続けるのは、患者さんのためなのですから」(倉治歯科医師)

 歯科医師自身も、根管治療が必要になるまえにむし歯の治療をしたいと思っているのです。

「何度も歯科医院に通うのがイヤなら、定期的に受診して早い段階で見つけてもらいましょう。きっと治療は1回で終わりますよ」(同)

【Q:次の予約は翌日ではダメなの?】

A:「何回も通わなくてはいけない治療でも、次の予約が翌日だったらすぐ終わるのに!」その気持ちもわかりますが、歯科治療は外科治療。からだは毎日の治療に耐えられますか?

「翌日に予約が取れない場合、いくつかの理由があります」と若林歯科医師は説明してくれました。

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