「共謀罪」法案が衆院法務委員会で強行採決され、23日にも衆院通過。自民党は24日の参院本会議で趣旨説明と質疑を行い、審議入りさせる日程で着々と動いている。元SEALDsの諏訪原健君はそんな与党に怒りを感じたという。
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体調がすぐれなかった5月19日、予定をキャンセルして、一日横になっていた。ふと目を覚ますと、だいぶ日が暮れている。何時だろうと思いながら、携帯を見る。18時を回っている。
ついでにTwitterを開いてみる。タイムラインには、緑のネクタイを締めた、日本維新の会の議員の写真や動画が、何度も流れてくる。どうやら共謀罪をめぐる審議のようだ。
「……時は来ました!この私の質疑の終了後、直ちに採決に入っていただきますようお願い申し上げまして、私、丸山穂高の質疑を終わります!」
この人はなぜ、そんなことを言っているのだろうと思いながら、動画を見ていると、議場が騒然とし始め、急に議員が起立し始める。委員長席に野党議員が詰め寄っている。寝起きの僕には、何が起こっているのか、しばらくわからなかった。
どうやら衆院法務委員会で採決が決行されたらしい――。
状況が飲み込めると、急に耳の後ろあたりが熱くなり、頭に血が上っていくのを感じた。こんなものが民主主義と呼べるのか。何のための国会なのか。あまりにお粗末ではないか。怒りのような、悔しさのような、そんな気持ちで、何度もその動画を見た。
思えばこういう気持ちになることは、ここ数年で幾度もあった。たとえ実のない「議論」だとしても、とりあえず一定の審議時間を確保して、後は数の力で押し切ってしまう…そんな光景が、当たり前のように繰り返されている。
「決められない政治」よりはいいでしょう、と思う人もいるかもしれない。しかし選挙で勝てば、何をやってもいいのだろうか。最終的に多数派の思い通りになるのだとしたら、国会審議など大した意味を持たないということになってしまう。それは恐ろしいことではないだろうか。