セルティックスをけん引するアイザイア・トーマス(中央)(写真:Getty Images)
セルティックスをけん引するアイザイア・トーマス(中央)(写真:Getty Images)
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 世界最高峰のプロバスケットボールリーグ、NBAのプレーオフが現地時間4月15日(日本時間16日)から全米各地で開幕する。

 東西カンファレンスからそれぞれレギュラーシーズン上位8チームずつが出場して、優勝を目指す。プレーオフはトーナメントで争われるが、1回戦から4戦先勝(ベスト・オブ・セブン)で、優勝するには16勝が必要だ。ポストシーズンとはいえ、約2カ月にわたる長丁場でプレーヤーには厳しい戦いが続く。

 一番の注目は2年ぶりの王座奪還を目指すゴールデンステート・ウォリアーズだろう。レギュラーシーズンは67勝15敗と圧倒的な強さで西カンファレンスのトップを快走した。エースは2年連続MVPのステフィン・カリー。そのカリーとクレイ・トンプソンで形成する「スプラッシュブラザーズ」がロングシュートを次々と決め、オフェンスの中核をなす。今季からケビン・デュラントが加入し、攻撃陣に厚みが増した。

 ウォリアーズを追うのが常勝軍団のサンアントニオ・スパーズだ。大黒柱のティム・ダンカンが昨季で引退したが、カワイ・レナードがオールスターの先発に選ばれるなど台頭し、世代交代に成功した。ラマーカス・オルドリッジ、トニー・パーカー、パウ・ガソルは派手さこそないが、ベテランらしいステディなプレーでチームを支え、レギュラーシーズンは61勝21敗と文句なしの成績をマークし、第2シードを手に入れた。

 さらに、定評のあるディフェンス力は今季も健在。平均98.1失点はリーグ2位だ。ワンプレーも気の抜けないプレーオフは、守備がよく、ミスをしないチームが勝ち上がる。目の肥えたファンや解説者には、安定感抜群のスパーズを優勝候補最有力と推す人も多い。

 このほか、西カンファレンスには、ヒューストン・ロケッツ(3位)やオクラホマシティ・サンダー(6位)など、みどころ豊富なチームがそろうが、カンファレンス決勝に進むのはウォリアーズとスパーズというのが大方の予想だ。

 そして、リーグの「西高東低」の原因の一つとなってしまったのが、東カンファレンスに所属する、昨季覇者クリーブランド・キャバリアーズ。スーパースターのレブロン・ジェームズ、カイリー・アービング、ケビン・ラブと「ビッグ3」を抱えシーズン中盤までは連覇に向け快走していた。しかし、3月以降は最終の4連敗を含め、10勝14敗と思わぬ失速。チーム状態は不安定で、プレーもどこか覇気が感じられなかった。

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