なかなか実態の見えなかった「大阪維新の会」の"国政戦略"が、形をあらわしてきた。維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事が8月1日の会見で、次期衆院選についてこう語ったのだ。
「(国政)政党と地域政党では、扱い方や選挙でやれることが全然違う。政党という形をつくらなければ戦いにならないので、政党を目指したい」
維新の会は9月15日に、大阪市内のホテルで資金集めのパーティー、なんばの高島屋前で街頭演説会を予定するなど"戦支度"を急いでいる。
もっとも、計画は着々と進んでいるかに見えるが、そう簡単にはいかないのが現実。党内でくすぶる"不協和音"が、表面化しつつあるのだ。
「橋下(徹・大阪市長)さんは大阪都構想のために所属議員の国政進出を認めない方針だったが、浅田均政調会長ら幹部は最近、『国政にもオリジナルメンバーが必要」として、3人ほどのベテラン府議を擁立してもいい、と言い出した。これに橋下さんが『聞いてない』と怒っているんや」(所属議員の一人)
橋下市長は8月1日、"側近"たちの動きに露骨な不快感を示した。
「国政に出ると正式に決定したわけじゃない。『維新八策』の中身もきちんと決まってないのに、国政、国政と言っても国民は引きますよ。維新の会幹部って、ちょっと発言が軽すぎる。しゃべりたくてしょうがないんだろうけど……」
※週刊朝日 2012年8月17・24日号