戦力の総合力では上記のクラブを下回るものの、組織力の高さで上位躍進を期待したいのが柏レイソルだ。若手の有望株が何人か移籍したものの、下平隆宏監督が植え付けたソリッドな戦術をベースに、派手さは無いが適材適所の補強をしており、継続路線での上積みが期待できる。現実的にJ1の優勝までは難しいが、主力に長期のけがが無くシーズンを一丸で戦いぬければ、ACL枠やカップ戦のタイトルに手が届く可能性は十分にあると見る。

次は、降格が予想されるクラブだ。

16位:札幌
17位:新潟
18位:甲府

 降格を開幕前に予想するのは非常に難しい。というのも前半戦でうまく行かないクラブはシーズン中に監督交代や夏に主力級の選手を補強するなど、必ず大きなてこ入れをするからだ。それを踏まえて戦力面から予想するならば16位が札幌、17位が新潟、18位が甲府か。ただ、札幌は一体感のあるチームに兵藤慎剛など興味深い戦力が加わり、スタートダッシュ次第では中位フィニッシュもある。

 新潟は主力の移籍が多すぎることが大きなマイナス要素で、伝統的な“残留力”を持ってしても難しさは否めない。若手の成長に加えて、J2の実力者がどれだけ能力を発揮できるかが浮沈の鍵を握る。甲府は吉田達磨監督が守備の組織を早めに固められれば残留の希望が出てくるが、やはり仙台から加入したウイルソンら外国人選手の活躍にかかるところが大きい。

 昇格組では清水とC大阪は順当なら残留と予想する。清水は仮にJ1得点王のウタカが帰ってこないとしても、攻撃陣はJ2得点王の鄭大世をはじめJ1でも通用しうる。ただし、センターラインの主力に入れ替わりがあるため、期待の野津田岳人や神戸からレンタルバックのDF村松大輔、日本代表経験のあるGK六反勇治などの組み込みが生命線となりそう。その“背骨”が不安定なままシーズンが進む様だと全体がぐらつき、小林伸二監督の戦術的な多様性がマイナスに働く可能性がある。

 日本代表MF清武弘嗣の復帰で注目を集めるC大阪はいきなりの上位躍進を期待する声もあるが、プレーオフで昇格した立場から考えても、まずは地に足を付けたところで勝ち点を積み重ねるという順序を間違えると、足をすくわれるリスクもある。開幕前の時点では最も順位が読みにくいクラブだが、しっかり残留を確定させた先の躍進に期待したい。(文・河治良幸)

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