消費増税関連法案の採決が政局夏の陣の最大の焦点だが、与野党の関心は、今国会中の衆院解散の可能性と、9月の民主党代表選、自民党総裁選にも向けられている。次期総理を目指し自民党では三つ巴の戦いが始まった。
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森喜朗元首相(75・当選14回)が7月22日、地元・石川で、「若い人に道を譲る」と引退宣言をした。
とはいえ、ポストや選挙などで長年「自民党ムラ」を差配してきた「長老」があっさり身を引くわけもない。2日後の24日には衆院議員会館の会議室で、
「この3年間我慢してやってきた。今のところどう見ても谷垣さんしかいない」
今回の総裁選は衆院解散・総選挙と表裏一体の関係にある。各種情勢調査で自民党の有利が伝えられるため、野田政権を今解散に追い込めば、自民党が第1党=政権に返り咲く可能性が高い。その場合は文句なしに谷垣禎一総裁(67・当選10回)が再選される。
ただ、現在、野田官邸には解散の雰囲気はほとんどない。今国会中の解散がなくなれば、その瞬間から自民党は総裁選モードに突入する。
その場合、京都が地元で上品な人柄から「お公家」と呼ばれる谷垣氏が、長老たちの支持を得て◎本命、防衛オタクの石破氏が○対抗、おなかが治った安倍氏が☆大穴というのが、現時点での下馬評だ。
総裁選は9月23日の予定。お盆休み明けには事実上のスタートが切られる。
※週刊朝日 2012年8月10日号