日本ハム・大谷翔平=球団提供(c)朝日新聞社
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 投手か打者か、再び論争が巻き起こっても不思議ではない。プロ野球のパ・リーグでは17日、大谷翔平投手がソフトバンク戦(北九州)で自身初、日本ハムでは1981年(昭56)ソレイタ以来35年ぶりとなる5試合連続本塁打を放った。大谷は21歳10カ月。5試合以上の連続本塁打を放った選手では、77年田代富雄(大洋)の22歳9カ月を抜いて、史上最年少記録を更新した。

 プロ4年目を迎えた大谷の打撃が「投打二刀流」という枠組みを飛び越えてきた。米大リーグで日本人最多本塁打の松井秀喜(巨人)でさえ、初めて日本プロ野球で5試合連続本塁打を放ったのはプロ7年目、24歳11カ月の時だった。868本塁打の王貞治(巨人)は、30代になった70年に初めて5試合連発を経験した。そんな希代のスラッガーたちが残した年少記録を、大谷が塗り替えてしまった。

 これまで大谷の打撃は、「同一年の10勝&10本塁打」が日本プロ野球史上初で大リーグでもベーブ・ルースだけ、などの文脈で紹介されがちだった。つまり投手を兼任している中では、素晴らしいということだ。しかし今回の記録更新は、打撃だけに焦点を当てたとしても、日本プロ野球の歴史上で有数の才能を「若くして」開花させたことを証明する。昨年、投手として最多勝、最優秀防御率、最高勝率のタイトルを獲得。投手として日本球界最高レベルにあることを証明していたが、21歳にして5戦連発を放ったことで、あらためて打者としての才能が「二刀流にしてはすごい」という程度をはるかに凌駕していることを知らしめた。

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