産婦の約1割がかかり、一般的なうつ病と同じ症状を呈する産後うつ病。牧田産婦人科医院院長の牧田和也医師によると、夫の育児参加が産後うつ病の予防に効果を発揮するという。

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 出産直後の産褥(さんじょく)期はうつ病になりやすい時期です。「疲れがとれない」「眠れない」と訴える患者さんを診断するとき、気力の低下が強い場合はうつ病を疑います。

 とくに生活環境のストレスは発症に深く関係します。数時間ごとに授乳する母親は慢性的に寝不足です。そうした育児中心の生活で、母親はほとんど自分のことができません。この環境に適応することは周囲が思うよりもずっと大変です。

 休息はうつ病の治療で非常に大切です。そのため服薬治療を考える前に、夫や家族が育児を担い、母親が赤ちゃんから離れてゆっくりできるように生活環境を調整します。

 最近は出産前の父親学級に参加する男性も増えてきましたが、父親が積極的に育児をすることは予防に非常に効果的です。

 出産後に疲れている妻を「怠けている」と見てはいけません。夜中に人工乳を飲ませることや、赤ちゃんの入浴などは父親が分担すれば、出産と育児で疲れている母親が休息できます。

※週刊朝日 2012年7月27日号