前田はこの1球を「2ストライクを取ったところで抑えなければならなかったのに、それができなかった。自分のミス」と後悔まじりに振り返っている。失投だったと認めているわけだが、もう1球ボールを投げられるカウントでストライクを投げて勝負する必要があったのか。女房役のヤスマニ・グランダルともども、バッターが投手ということで勝負を焦ってしまったのかもしれない。このピンチを連続四死球で招いたことも影響していただろう。いずれにしても悔やまれる1球だった。

 一方、ドジャースのデイブ・ロバーツ監督は、前田が先頭から8番までノーヒットに抑えていたにもかかわらず、この日は本調子にないと見ていた。「変化球を多用していたがキレがなかった。速球のコントロールもいまひとつの中でよくアウトをとる方法を見出していたが…」と一定の評価は与えたものの、続く6回も連打で無死二、三塁とされたところで前田に降板を告げざるを得なかった。

 この日の前田の結果は、5回0/3を6安打、3四死球、3三振、4失点の内容。開幕からの4試合で3勝を挙げたあとは勝敗なしを挟んで2連敗となった。わずかな油断、些細な制球の乱れが投手相手でも命取りになるのがメジャーリーグ。しかも制球の乱れは、それが生命線な前田のようなタイプのピッチャーには無視できないものだ。中4日での先発による疲労が原因なのか。それとも一時的な調子落ちなのか。

 その答えは、再び中4日での先発ならば16日に地元で行われるエンゼルスとのLA対決、「フリーウェイシリーズ」であらためて見極めたい。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年この本が読みたい!「本屋大賞」「芥川賞」「直木賞」