相手投手に2打席連続弾を浴びた前田健太。(写真:Getty Images)
相手投手に2打席連続弾を浴びた前田健太。(写真:Getty Images)
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 ロサンゼルス・ドジャースの前田健太が、現地11日のニューヨーク・メッツ戦でメジャーの洗礼を浴びた。だがその浴び方は誰もが予想しないものだった。

 前田は3回、メッツの先発右腕ノア・シンダーガードに先制のソロアーチを被弾。さらに味方が逆転してくれた後の5回には、連続四死球で無死一、二塁のピンチを招くと、再びシンダーガードに逆転3ランを許してしまったのだ。

 1本だけなら出会い頭の事故だと言うこともできるだろう。現に前田自身もメジャーデビュー戦で初打席初ホームランを放っている。しかし投手に2打席連続アーチは看過できるものではない。加えて言うなら1本目は右中間、2本目も左中間へ運ばれた、飛距離が約120メートルはある文句なしのホームランだった。

 もう少し詳しく状況を見てみよう。1本目の被弾は0対0で迎えた3回、先頭で打席に入ったシンダーガードに初球の速球を打たれた。140キロ台半ばの球速はあったが、コースが高かった。油断したわけではないだろうが、後から振り返れば不用意な入り方をしてしまったといったところか。

 2発目は前述したように2対1とリードした後の5回、前田にしては珍しく連続で四死球を出したところでシンダーガードを迎えた。定石なら送りバントだろうが、メッツはその作戦を取らず。カウント2-2としたところで、前田らドジャースバッテリーは決め球にアウトコースからストライクゾーンに入るスライダーを選んだ。これは外角低めにまずまずコントロールされたようにそこまで甘い球ではなかったが、シンダーガードに完ぺきにとらえられてしまった。

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