熊本県益城町災害ボランティアセンターの受付に並ぶ各地から集まったボランティアたち。本文とは関係ありません(c)朝日新聞社
熊本県益城町災害ボランティアセンターの受付に並ぶ各地から集まったボランティアたち。本文とは関係ありません(c)朝日新聞社

 地震のボランティア受け入れが本格化し、全国から大勢の人が被災地に駆けつけている。特に大型連休となるゴールデンウイークは多数のボランティア希望者が熊本に詰めかけることが予想されており、人々の善意が復興を後押ししようとしている。だが、その一方で懸念されているのが「モンスターボランティア」だ。

 2011年の東日本大震災では個人・団体問わず全国から大勢のボランティアが集結したが、一部の人たちが無料の宿泊所や食事などを被災地に要求する行為が問題視された。

「自己満足的な善意で被災地に現れ、汚れ仕事や力仕事はやらず、仲間内で歌を歌ったり親睦を深めたり……被災者そっちのけで盛り上がって帰っていく“自称ボランティア”が少なくなかった。それでいながら『働いたのに食事くらい出ないのか』と文句をつけるのだから、まさにモンスターボランティア。彼らは『感動』や『感謝』といった見返りを求めるので地味な仕事はやりたがらない。阪神・淡路大震災の時もガレキの前で記念撮影したり、避難所ではしゃいで顰蹙を買った人がいましたが、その当時からあまり変わっていません」(関東のNPO団体関係者)

 この関係者によると、災害ボランティアは「自力で宿泊場所や食事を確保できる人」という自己完結型が基本だという。被災地に負担を掛けないようにするためには至極当然のルールであり、特に災害初期は地元にボランティアの世話までさせたら本末転倒になりかねない。自治体やボランティア団体によっては食事や宿泊所の提供はあるが、それはあくまで先方の善意と考えて「現地に頼らない」が鉄則となる。

 問題は一部ボランティア参加者の動機にも関係するという。

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