無罪判決を受けた菊地直子・元信者(c)朝日新聞社
無罪判決を受けた菊地直子・元信者(c)朝日新聞社
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 1995年のオウム真理教による京都庁郵便小包爆発事件で、殺人未遂ほう助などの罪に問われた元信者・菊地直子被告(43)の控訴審判決が11月27日、東京高裁であった。東京高裁は懲役5年とした一審・東京地裁の判決を破棄し、無罪を言い渡した。

 菊地被告は、事件に使われた爆薬の原料を運んだとして、殺人未遂ほう助などの罪に問われていた。だが、本人は何のために薬品を運ぶのかという説明がなく、それが人の殺傷に使われる認識がなかったと無罪を主張していた。高裁判決では、この主張が認められ、無罪判決が出された格好だ。

 事件後、菊地被告は他人になりすまして逃亡し、警察から特別指名手配されていた。2012年に逮捕され、約17年間の逃亡生活を終えた。

 今回の逆転無罪判決に、ネット上では早くも疑問の声や検察を批判する声があがっている。

<いやいやいや……それは無いでしょう。検察は何やってんの>
<逆転無罪ってなんだよ……意味わからない>
<知らなかったなら、17年間も逃げ回らなくてもいいじゃないか?>

 一方、オウム事件を長年取材してきた有田芳生参院議員は自身のツイッターでこう書いている。

<オウム元信者、菊地直子被告の無罪判決を歓迎する。検察は新証拠もない虚しい上告をすべきではない。そもそもサリン事件やVX事件で不起訴だったのに、都庁爆破事件で起訴したことが間違いだった。逃走を続けた本人の責任ではあるが、作られた『走る爆弾娘』イメージに引きずられすぎたのだ>

(ライター・河嶌太郎)