この冬、暖房のない札幌市内の凍える部屋で暮らしていた姉妹が、相次いで亡くなった。姉は3度も生活保護の窓口に出向いていたという。ノンフィクションライターの橘由歩氏は、姉妹が発見された当時の様子を次のようにレポートする。
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姉のKさん(享年42)と、知的障害がある妹のMさん(同40)の遺体が、札幌市白石区にあるマンションの一室で見つかったのは、2012年1月20日のことだ。
Kさんはフリースやジャンパーなどを何枚も着込み、寝室のベッド近くにあおむけに倒れていた。死因は脳内血腫。前年の12月20日以降に受信した携帯電話の迷惑メールを消した形跡がないため、20日に亡くなった可能性が高い。同じ日、Kさんの携帯には「111」という番号への発信記録も残されていた。警察は、Mさんが110番通報しようとしたものの、障害のため正しく操作できなかったとみている。
一方、Mさんはパジャマを着て、寝室のベッドで布団を半分かけた状態で横たわっていた。Kさんが亡くなった後も半月以上は生きていたようで、今年1月上旬から中旬にかけて凍死したとみられている。
「姉の遺体は顎が外れていました。よほど苦しかったのでしょう。妹も凍死じゃなくて餓死だと思っています。骸骨のようにガリガリにやせていましたから」
姉妹の遺骨を引き取ったいとこの女性は、悔しそうにこう話す。Mさんの身長は158センチ。かつては64キロあった体重が、発見時は36キロになっていたという。
※週刊朝日 2012年7月20日号