「同様の調査手法で、歯が19本以下で義歯を使用していない人は、歯が20本以上ある人に比べて、2.5倍も転倒リスクが高いという結果が出ました」(山本教授)

 この20本という歯の数は、80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという「8020運動」に由来するものだ。歯がほとんどなくても、義歯を使用することで、認知症のリスクは軽減されると山本氏は言う。自分に合った義歯を使用することで、食べる喜びを得るだけではなく、生活も向上するというのだ。

「要介護になる原因と歯の健康の関連を予想してみると、歯を失うことで咀嚼能力が低下し、かむことによる脳の刺激が少なくなるため、脳の認知領域に退行性変化が起きて認知症になりやすくなるという可能性があります」(山本教授)

 それでは、歯の健康を維持するにはどのような対策が有効なのだろうか、山本教授によると
 「歯を失う主な要因の約90%は虫歯と歯周病です。むし歯予防にはフッ素含有の歯磨き粉がお勧めです。歯ブラシを用いて歯間までしっかり磨くことが、歯周病予防につながります。フッ素を含んだうがい液も効果が期待できます」

 さらに、かりつけの歯科医を持って定期的な歯科受診することで、経過観察も行える大きなメリットがあるという。長く健康でいるためにも、日頃からしっかりと歯のケアを心がけることが大切だと言えるだろう。

長寿社会の日本で、課題となっている健康寿命をのばすこと(要介護の防止)のために、まずは歯科から日常生活を考えてみてはいかがだろうか。

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