女性用生理用品「ナプキン」を使う男性がいる――はたして何のために使っているのか。実はこのナプキン、意外な転用が可能なのだという。そんな男性の利用者の声を聞いてみた。
「最初着けたときはなんだか気恥ずかしくて……。まさか、自分がナプキンを着けることになるとは、思いもしませんでした」
こう語るのは営業職として大阪府内の印刷会社で勤務する40代男性だ。3年前、痔を患った際、どうにも痛くて座れない。そんなとき通院した病院の看護師から勧められたのが“ナプキン”だった。
「分厚い“夜用”といわれるナプキンを勧められました。パンツはトランクス派だったのですがブリーフに換えました。もちろんナプキン使用のためです。実際に着けてみるとクッション代わりになってとても心地よかったです」(前出の40代男性)
ナプキンをクッション代わりに使用する例は、激しい任務と車両での移動が多い陸上自衛隊員や、長時間運転のため座りっぱなしのタクシー、長距離トラックの運転手といった職に就く人の間でもよく知られた話だという。他にも大学のカッター(大型ボート)部やボート部の学生の間でも愛用する例は数多い。
事実、医療関係者の間では男性にナプキン装着を勧めることは決して珍しいことではないようだ。とりわけ痔の場合、手術前だと先述したクッション代わりに、手術後は出血に備えての包帯やガーゼの代用品として重宝されている。
「女性の生理時、経血を吸い取るナプキンは、痔や肛門周囲潰瘍、肛門周囲炎を患った際の出血、膿にも十分対応できます。下着や服に出血や膿が染みることもない。消臭効果もあります。こうした知識を男性が持つだけでも、いざというとき安心です」(看護師)