

画家のポール・ゴーギャンが「最後の楽園」とたたえた南の島・タヒチ。自然の魅力あふれるこの島を、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんが訪ねた。BS朝日「人生を変える7日旅 滝川クリステル×楽園 タヒチ 前編」(8月7日金曜日22時~)で、滝川さんが訪れたのは、南太平洋にあるフランス領ポリネシア、通称タヒチ。タヒチ島を中心とするソサエティー諸島をはじめとした5つの諸島からなり、あわせて118の島々がある。
フランス人の父と日本人の母の間に生まれた滝川さんにとって、フランス語圏のタヒチは以前から興味をそそられる存在だったという。
「フランス語圏で、随分前から行きたかったけど、機会が無くて。小さいころから身近にいつも耳にする楽園と言うか、家族の中でもいつか行きたいねと言っていたけど、なかなか行けなかったので、こういう機会に便乗させてもらおうかと」(滝川さん)
というわけで、憧れの楽園への旅がスタートした。まず、滝川さんが会いに行ったのは、フランスを代表する画家・ポール・ゴーギャンの孫だ。
大胆な構図と鮮やかな色彩を使ったことで有名なゴーギャンは、タヒチを舞台にした小説を読んだことがきっかけでこの地に移り住んだという。今回訪ねるのは、その孫が経営するアトリエである。
アトリエに到着すると、早速出迎えてくれたのが、ゴーギャンの孫・タイさん。アトリエの中には、ゴーギャンの作品が所狭しと並べられている。作品は全てレプリカだというが、その数の多さに圧倒される。
そんななか、滝川さんが目を留めたのは1枚の絵。ゴーギャンの最高傑作とも言われる作品「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」。しかし、レプリカを見ていてひとつ気づいたことが。絵の左側に描かれているはずの銅像がなく、代わりに一人のひげの男性が描かれているのだ。これについて尋ねるとタイさんからこんな答えが返ってきた。
「ゴーギャンの絵には銅像が描かれていたが、僕はそれが嫌だった。だから代わりにゴーギャンを描いたんです。3年間考えてひらめいた。だからこの絵はオリジナルの作品です」
これを聞いて思わず吹き出してしまう滝川さん。
「すごく自由ですよね(笑い)すごく面白い。おじいさんの名画を自由にいじれるのは、お孫さんしかいませんよね」
ここで滝川さん、タイさんに気になっていた疑問をぶつけることに……。なぜ、ゴーギャンは、タヒチで絵を描くようになったのか。
「ゴーギャンはナチュラルな生活に憧れ、都会ではないところを探していた。ここでシンプルライフを見つけ留まった。ゴーギャンはワイルドな暮らしこそ、人間らしい営みだと考えていたので、ここを“楽園”と表現したのです」(タイさん)
自然に囲まれた暮らしは、ゴーギャンに新たなインスピレーションを与えたのかもしれない。実際、ゴーギャンがタヒチで残した絵は、ヨーロッパにいた頃のものよりも色彩が大胆かつ派手になったと言われている。
ゴーギャンの絵が鮮やかになるきっかけとなったのが、タヒチに来たばかりの頃に描いたという「パペ・モエ(神秘の水)」という作品。タイさんが、この「パペ・モエ」の描かれた場所へ案内してくれた。
そこは多様な植物が生い茂る、巨大な緑の茂み。しかし、そこには絵に描かれていた滝の姿はない。
「昔はちゃんと滝があったのだが、人間が森林伐採を行ったために、水が干上がってしまったんです」(タイさん)
これを聞いて、大きくうなずく滝川さん。
「ちょっと象徴的ですよね。まだ自然の力が大きく残っている頃に、彼はタヒチの絵を描いていますよね。だから、最後の楽園のギリギリの時だったのかもわからない。昔は滝だったのに、今はないっていうのは大きな違いだと思うので、自然があふれていると言っても、本来はもっと自然の姿があったはずですよね」
生態系保護の活動も行っている滝川さんにとって、感慨深い出合いとなったようだ。
翌日、滝川さんはタヒチ島の街に繰り出すことに。このときは年に一度のダンスの祭典「ヘイヴァ・イ・タヒチ」が行われていた。その一環として、街でも民芸品・工芸品市が開かれ、にぎわいをみせる。
楽しげな音楽に合わせて開催されていたのが、タヒチアンファッションショー。手作りのパレオや伝統衣装を着飾って、お母さんたちがダンスを披露した。タヒチの人々にとって、ダンスは暮らしに欠かせない存在なのだとか。ショーでも、もちろんダンスが行われ、そこに来場者も飛び入りで参加する流れに……滝川さんも急きょここに加わった。
上品なイメージのある滝川さんだが、そのダンスの腕前は……? 情熱的なタヒチアンダンスに挑戦する滝川さんの様子は、ぜひ番組で確認していただきたい。
この他にも旅の中では、イルカと泳ぐためにダイビングに向かったり、市場でアクセサリーを選んだり、と滝川さんのアクティブでチャーミングな一面を見ることができる。普段見られない彼女の素顔をのぞき見てはいかがだろうか。なお、後編は8月14日金曜日22時から放送する。

