新党結成で勢いをつけたい小沢一郎衆院議員の喉元に刺さった一本の骨、それが妻・和子さん(67)からの「離縁状」騒動だ。いまや、その手紙の"真贋"と、小沢氏の民主党離党が相まって、お膝元も真っ二つに割れているのだ。
6月末に茶封筒が届いたという地元・岩手の男性県議はこう話す。
「まわりには1カ月ほど前からコピーが送られてきた。民主党所属の県議23人は、ほとんど全員に来てるんじゃないの。同じ人に3通も届いた例もある。私には先週届いた。元の手紙は便箋11枚だけど、B4両面コピーで3枚。カネがなくなったんじゃないの (笑い)」
封筒に差出人名はなく、印字された宛先が貼られ、手紙のコピーだけが入っていた。消印は福島の郵便局。
「後援会役員にも来ている。たぶん、昔の後援会の役員がやっているんだと思う。何種類かの名簿を使って送りつけているんだろう。筆跡は和子さんじゃないと思う。身近にいる人がやっているんじゃないの。いまは上手に似せて書く人がいるから。差出人くらい書いとけと言いたいよ」(同前)
一方、昨年11月ごろ、ボールペンの肉筆で綴られた"本物"を受け取った後援者は、こう言う。
「筆跡は本人のものでしたよ。年賀状をやりとりしていますからわかります。すぐに和子さんに『びっくりしました』と言ったら、和子さんは『ご迷惑をおかけしますねえ』というようなことを言っていました」
和子夫人の真意はわからない。手紙の内容について「事実誤認だらけ」との指摘もある。何よりも、かつては地元に住み、精力的に会合に顔を出していた和子夫人が、11年前からまったく地元に寄りつかなくなっていた。和子夫人を支えようと約30年前にできた地元の女性後援会組織「水和会」も解散予定だ。
そんなこんなで、岩手の県議会はもはや分裂状態。民主党県議は、小沢氏と行動を共にする「離党組」と、党に残る「残留組」、そして「保留組」に分かれた。
「流動的ですが、いまのところ(7月7日時点)、離党9人、残留12人、保留2人。自民党県議は12人ですので、最大会派を取ろうと水面下で引き抜き合戦になっている」(県政関係者)
※週刊朝日 2012年7月20日号