在宅では医療面以外にも悩みが尽きないものです。その暮らしの始め方から、経済的な心配やストレス対策、一人でいる不安……。在宅医療サービスを提供している二つの法人に答えてもらいました。
【Q1】在宅医療を希望する場合、まずどこに相談すればいい?
入院中であれば、病院の医療連携室や医療相談室などに相談をしましょう。
いまは自宅にいて在宅医療を希望する場合は、コーディネートをおこなうケアマネジャーか自治体の窓口に相談をします。
ケアマネジャーは経験や得意分野がそれぞれ異なるため、しっかり選ぶことが肝心です。ケアマネジャーの資格以外にも社会福祉士や看護師など、複数の資格を持つ人もいますし、医療法人、社会福祉法人、民間会社など所属先によっても特徴があります。
「時間的に余裕があれば2~3人のケアマネジャーと会って話をしてみて、話しやすさや相談にのってくれるかどうか、また、『こんな感じのお医者さんです』といった情報を持っているかなどを見極めるのがおすすめです」
こう話すのは、白報会グループの斉藤貴代美さんと長谷川眞由美さん。
「介護の方針についてどんどん提案してくれるような人を好む患者さんもいれば、一緒に考えてほしい人もいるため、そのような相性も確かめます。もっとも大事なのは、話をきちんと聞いてくれるかどうか。利用者が望んでいることや知りたいことに応えてくれる人を選ぶといいでしょう」
信頼関係を構築できそうにない場合は、変更してもいいのです。その選択が、今後受ける介護や医療サービス、さらにいえば人生を左右することもあります。
【Q2】在宅医療を受けるためにはどんな準備が必要?
現在入院中の場合には、病院内の医療連携室と相談しながら退院後のことを決めていきます。なお、病気が重症の場合には退院前カンファレンスが開かれ、院内スタッフと地域の関係機関が在宅医療に向けた細かな調整をします。
その後、自宅の環境を整備します。
「患者本人の状態によりますが、自宅で介護や医療を受けるにあたり、段差を解消するための改修、手すりや介護ベッドなどの備品が必要であれば用意します。介護保険内で、ある程度の準備ができます」(白報会グループ)