ドラマ「海猿」の影響もあり、すっかり“海の男”のイメージが定着した、俳優の伊藤英明さん(39)。そんな伊藤さんが、ハワイの雄大な海と対峙して、感じたものとは……。
BS朝日「奇跡の地球紀行スペシャル 伊藤英明が行く!知られざるハワイ第1弾 マウイ島1周!ザトウクジラとの奇跡の出会い」(6月13日土曜日18時54分~)で、伊藤さんが訪れたのは、ハワイで2番目に大きい島・マウイ島と、その周辺の島々だ。
伊藤さんといえば海のイメージがあるが、実際にスキューバダイビングが得意で、マウイでもその腕前を披露する。今回、挑戦するのは、マウイのシンボルとも言える三日月形の無人島・モロキニ島でのダイビングだ。伊藤さんは、意気込みをこう話す。
「モロキニ島って独特の地形じゃないですか。今まで(モロキニ島は)潜ったことがなかったので、地形が楽しみですね」
しかしここでは触れなかったものの、伊藤さんには心のどこかで期待していた「出会い」があった。それは、ザトウクジラとの出会い。撮影時には、すでに季節外れの時期に差し掛かっていたため、口に出さなかったが、ダイビングを嗜む人間なら誰しも、お目にかかりたい大物だ。
マウイ島南部に位置するワイレアの港から、船に乗ること40分。到着したモロキニ島は、驚くほど透明度の高い美しい海、そして珊瑚や小魚が豊富な楽園だ。停泊したポイントは35メートルほどの深さにもかかわらず、底が見えるほど透き通っている。
「めっちゃキレイじゃん。シュノーケルもできる。波もないし、やった方がいいよ!」と、伊藤さんもその美しさに興奮気味。装備を整えると早速、海に飛び込んだ。
海中は見渡す限り透き通った「青」の世界。時間を忘れてしまうほどの絶景である。すると、ダイビング中にある「異変」に気付いた伊藤さん。海から上がるや否や、スタッフにこう話す。
「クジラが鳴いてる。まだいますよ、クジラ。声がします」
なんと、季節外れのはずのクジラの声。その鳴き声は、伊藤さんが海中で撮影していたカメラにもしっかりおさめられていた。
ザトウクジラは成体で体長約14メートル、体重は約30トン。夏はアラスカなどの冷たい海で餌を食べて、冬はハワイなどの暖かい海域に移動する。
だが撮影した時期は、本来ならクジラはアラスカに向かった後の時期だ。もし見られたら、かなりレアな出会いとなる。そこで急きょ、季節外れのクジラを求めてクルーズすることになった。
「クジラって大変。いる時期でも、ブロー(潮吹き)が上がってそこを狙って行くんだけど、クジラは止まらないから」(伊藤さん)
運よくダイビング中に出くわすことがあっても、あっという間に泳ぎ去ってしまうのがクジラ。そのため、クジラと出会うには船で待機しているのがもっとも可能性が高いという。
船長が無線の情報と、経験による勘を頼りに船を走らせる。しかし、なかなか現れる様子もなく、だんだんと船上には諦めムードも漂い始めた。……その時。
「いたいた!あそこにいる」
伊藤さんが示す方向に、複数の黒い物体が現れた。潮を吹くクジラの親子だ。船を進めると、それは2組のクジラの親子、合計4頭の群れだった。伊藤さんはこう振り返る。
「ここを訪れた4月中旬は本来、ほとんどのザトウクジラがアラスカへと旅立ってしまった後なんです。でも今回、まるで僕を待っていてくれたかのように、海の中で歌声を聞かせてくれて、そして奇跡の出会いを果たすことができました。今まで、いろんな場所でクジラを見てきましたが、今回は、何か特別な運命を感じる出会いとなりました」
海の男らしい“引き”の強さをみせた伊藤さん。ほかにも、初のウィンドサーフィンに挑戦したり、山で自然を満喫したりと、ハワイの魅力を体感する。伊藤さんの体験を通じて、ハワイの魅力を改めて発見してみてはいかがだろう。