「当時は無名の歌手でしたが、『夜の番組で私の歌が使われるの』と喜んでいました。つやのある長い黒髪がきれいで、芸能人というよりは超美人のOLといった印象でした。芸能人であることを隠そうとして、だてメガネをかけていましたけど、レンズが入っていないので逆に目立っていました」(知人の美容師)
93年には代表曲「負けないで」が大ヒット。そのころ、ラジオ番組で対面した音楽評論家の富沢一誠氏はこう話す。
「写真で見たイメージどおりの美人でした。女性アーティストのなかには、人気が出てくるとおごりが見える人もいますが、そんなところはなかった。一つひとつの質問を受けとめて、言葉を選んで話す。文学少女のイメージがぴったりの女性でした」
●「美人」と言われテレビが嫌いに
だが、ヒット曲を連発しても、メディアへの露出は控えたままだった。ファンの前に初めて生の姿を見せたのは、デビューから8年後の99年8月。アルバム購入者を対象にした、クルーズ客船でのライブだった。
「このライブは、彼女が所属する『ビーイング』の総帥、長戸氏が来場して、坂井さんのかばん持ちをしていたほどの力の入れようだった。リハーサル中も、坂井さんが指示する照明や音響への注文もいちいち聞いていた」(芸能記者)