この「賢者タイム」、実は性別問わずヒトの体内で生成されるとあるホルモンが影響しているということをご存知だろうか。
女性ホルモンや男性ホルモンなど、ホルモンにまつわる話をまとめた書籍『なんでもホルモン』(朝日新書)によると、この「賢者タイム」の正体はプロラクチンというホルモンの作用だという。プロラクチンは通称「ミルクホルモン」と呼ばれ、その名の通りミルクに関係したホルモンで、成長ホルモンと同じく思春期に分泌され、乳腺を発達させる。つまり、授乳には欠かせない女性にとって大切なホルモンなのである。
そんなプロラクチンにはもう一つ、少し面白い作用がある。私たちはしばしば、何かに熱中している時や何かをどうしても手に入れたいという感情に駆られた時に「ドーパミンが出ている」と表現するが、プロラクチンにはこのドーパミンの分泌を抑制させる力があるという。要するにプロラクチンが増えれば執着心が薄れていくというのである。「賢者タイム」がプロラクチンの作用と関係があるのは、そのためだ。
セックス後のパートナーとの雰囲気にいら立ちを覚えがちな女性も、「ホルモンのせいだから、仕方ない」と思えば、少しはその不満も解消されるかもしれない。