続々と国内参入が続いている海外生まれのLCC(ローコストキャリア/格安航空会社)。その安さが最大の魅力だが、やはり大手航空会社にはないデメリットも存在する。トラブルを未然に回避するために、LCCの使いこなし方を徹底指南する。
7月3日にはジェットスター・ジャパン、8月1日にはエアアジア・ジャパンが国内線の運航をスタートさせる。シンガポール航空系のスクートも、早ければ10月末に成田縲怎Vンガポール便(台北経由)を就航させる予定だ。そこで、LCCを利用する際の注意点をまとめておこう。
まずは、予約時に空港名をよく確認すること。LCCは運賃を抑えるために、発着料金が安い郊外の空港を使うことがあるからだ。
空港には、余裕を持って到着したい。LCCのターミナルは離れた場所にあり、空港内の移動に時間がかかることが多いからだ。搭乗直前まで出発ゲートが決まらず、間際にゲートが変更になることも珍しくない。
しかも、LCCは搭乗の締め切り時間に厳しい。大手と同じ感覚でいると、置いてけぼりをくらう。指定席は有料なので、自由席で同行者と並びの席を確保したければ、なおさら早めにスタンバイしよう。
そして、何よりも重要なのは、旅程に余裕を持たせること。LCCは欠航の場合も、他社便への振り替えはきかない。同社の別便への振り替えが可能なLCCもあるが、返金という対応が一般的。こんな事態に巻き込まれては、楽しい旅が台無しになってしまう。
LCCは機体を効率的に使い回しており、わずかなトラブルから連鎖的に遅れが広がることがある。日本でも3月、LCCのピーチ・アビエーションが1機の故障から3日間にわたって13便が欠航した。
そのため、旅行通に言わせると、海外旅行では「帰国便への接続にはLCCを使わない」のが常識だとか。どうしても使いたいなら、帰国便の出発地に1泊するのが無難だという。
夏休み中は台風シーズンだ。悪天候による欠航が、思いのほか長引く可能性がある。こうした安さの代償も考えたうえで、LCCを利用しよう。
※週刊朝日 2012年7月13日号