4月25日は「DNAの日」であることをご存じだろうか。1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞した米英の科学者ジェームズ・ワトソン氏とフランシス・クリック氏がDNAの二重らせん構造モデルについての論文を発表したのが、1953年のこの日に発行された科学雑誌「ネイチャー」だ。
両氏はDNAが遺伝情報を伝えるものであることを解明した。DNA=遺伝子と思いがちだが、細胞の中にある「物質」がDNAで、DNAの中に含まれている「情報」が遺伝子を指す。
遺伝と聞くと、体型や頭髪、病気のことが気にかかるという人も多いことだろう。ビジネスパーソンのMさん(39歳・神奈川県川崎市)もそのひとり。「このところ太ってきたのはきっと遺伝のせい」「父方の親戚に同じ病気を患って亡くなった人がいるのは遺伝ではないか」とぼんやり考えることがあるという。
「遺伝子と病気の関連は少なからずあると考えられています」と、がん治療やアンチエイジング医療に取り組む三番町ごきげんクリニック院長の澤登雅一医師は語る。「ただし、遺伝子からみて、なりやすい病気を知ったからといって不安になる必要はありません。病気になるかどうかは、その人がどのような生活を送っているかも大きな要素です。食生活に気をつけるなど、健康のためのモチベーションをアップしてくれるものととらえましょう」(澤登先生)。
Mさんのように自分の遺伝子に興味を持った人が、手軽にがんや生活習慣病の遺伝リスクを調べられるサービスがある。エバージーンの遺伝子解析サービス『ディアジーン』は、スマホやPCを使い、「自分がどの病気になりやすいか」を知ることができる。
遺伝子解析というと高額で難しそうだが、胃がん、肺がん、食道がんなど8種類のがんに対応する遺伝子解析キットは9,800円(税込)、がん+生活習慣病遺伝子解析キットは29,800円(税込)。専用の容器にわずか1~2ccの唾液を採取して送ると、約1カ月後に解析終了メールが届く。パソコンやスマートフォンからウェブサイトにアクセスし、IDとパスワードを入力してログインすると、自分の遺伝子の特徴からどんな病気になりやすいタイプなのか、その傾向とリスクがわかるしくみだ。
遺伝子情報を基にした固有の病気のなりやすさに加え、病気によっては日本人の平均発症率を加味した情報も得られる。今後さらに遺伝子の研究が進んで新たな知見が得られた場合には、アップデートした解析結果を提供してくれるという。
遺伝子だけで、将来どんな病気になりやすいかを判断することはできないし、なりにくいとされた病気にかかることもある。しかし「なんとなく気になっていた遺伝の傾向が分かるのはありがたいこと」(Mさん)という。定期的な検診などと併せて、体調管理や生活習慣の見直しのために参考にできるサービスといえるだろう。
【関連リンク】
遺伝子解析サービス「ディアジーン」 https://www.deargene.jp