試作車(上)と市販車と同タイプの外装部(左下)
<br />
試作車(上)と市販車と同タイプの外装部(左下)
この記事の写真をすべて見る

「もっと光を!」と言ったのは詩人ゲーテ。「もっとパワーを、もっとスピードを!」と叫ぶのはスポーツカーの愛好者。
 そんなスポーツカーファンたちの話題をさらいそうな車が登場する。時速100km/hの加速を3.9秒で成し遂げる。しかもこれがEV(電気自動車) 。モーターだけで疾走する EVスポーツカ ー「トミーカイラ ZZ」が、この春、お目見えすることになった。

【写真特集:開発風景や試作車など】

 国産初のこのスポーツEV(電気自動車)を実現したのは、京都大学発のベンチャー企業グリーンロードモータース(略称GLM 本社 京都府左京区)だ。
 1990年代後半に市販され、「公道を走れるレーシングカー」ともいわれた、知る人ぞ知るスポーツカー、「トミーカイラZZ」。このブランドを引き継いだGLMは、これまで同車のEV化のための設計開発を進めてきており、昨年10月には、国内認証を得たことを発表していた。
 
 標準仕様車は、8時間の充電で100km走るという。車台(プラットフォーム)だけで高いレベルの剛性・強度を確保できるため、外装(エクステリア)は軽量な樹脂素材であっても衝突安全性を確保できる。このためデザインの自由度が高く、多様な外見を楽しめる。
 車体の加工、組み立ては、京都府舞鶴市で溶接技術に定評がある中小企業が受け持ち、ハンドメイド方式で予約販売する仕組みだ。
 「夢を現実に出来たのは、国内大手自動車会社を退職したエンジニアらの頭脳や、地元中小企業の技術力結集のおかげ」と語るのは同社社長の小間裕康氏(35)。
  
京都発、夢のスポーツカーの発進に大いに注目したい。

グリーンロードモータース株式会社
http://www.greenlordmotors.co.jp