彼女たちを動かす韓国カルチャーの魅力の源泉は何なのか。前出の内畑さんはこう言う。
「韓国は何事もスピーディー。行動力がありDIYの精神も強い。何かをやりたいと思ったらその初期衝動でやれる環境もあります」
DIYとは、大資本に依拠せず何でも自分たちでやろうという考え方だ。韓国でDIYが盛んな背景には、小さな町工場がまだ残っているため小ロットでの生産がしやすいこと、ネット通販が浸透しており個人間の売買も盛んであることなどが指摘されている。
また、いまの韓国社会の中心にいるのは、50代が多い。
「日本より若い世代の感覚が社会の中心にあると感じます」(Erinamさん)
著書『ポスト・サブカル焼け跡派』で、日本のサブカルチャーを社会的な観点から分析し、韓国でのDJ経験もあるテキストユニットTVODのパンスさん(35)もこう言う。
「僕が体験した韓国・ソウルのシーンでは若い人がしがらみなく活動できる部分はあると思います。お客さんの反応も、好きな曲がかかったら一緒に歌ったり、とくに女性が元気なのが印象的です」
(編集部・小柳暁子)
※AERA 2020年3月30日号より抜粋