4人の子ども全員が東大理IIIに合格した佐藤ママこと佐藤亮子さんによる、受験生とその親を応援する短期集中連載。第14回は「親世代と違う今どきの大学事情」と題してお送りする。
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4月からいよいよ新学期が始まります。この春、大学に進学するみなさんは、入学のための準備をしていることでしょう。今年は新型コロナウイルスの感染拡大のために入学式を中止にする大学もあって残念ですが、仕方ありませんね。
私が大学生だったころと比べると、大学も変わってきたように思います。今回は、今どきの大学事情についてお話ししたいと思います。
私が大学生だったころは、入学式が大学生活のスタートでした。でも今は、入学式前にオリエンテーションを行う大学は少なくありません。わが家の子どもたちも、入学式前にオリエンテーション合宿に参加しました。入学前のオリエンテーションは、友達作りのお膳立てという意味もあるのでしょうね。コミュニケーションをとったり、友達を作ったりするのが苦手な若い人もいますから。
大学の中には、数学で受験しなかった経済学部の学生を対象に数学を、生物で受験しなかった医学部の学生を対象に生物を春休みや入学後などに教えているところもあるようです。また、保護者会を実施する大学も増えていると聞きます。親も子も、スムーズに新しい生活のスタートをきれるように大学がサポートしているのだと思います。
受験までは勉強に専念してきた方も、大学入学後は部活やサークルに入ることをおススメします。わが家の子どもたちも全員が医学部の運動部に入りました。長男がサッカー、次男が野球、三男がアメリカンフットボール、長女が水泳部。臨床実習に行ったときなどに、「何部だった?」と聞かれ、同じ部活だと会話が盛り上がるようですね。学業以外のことでも真摯に取り組み、さまざまな経験を積むことは、自分自身の成長につながります。
学業に支障がない範囲で、アルバイトをするのもいいでしょう。わが家の子どもたちも、全員が塾講師のアルバイトを経験しました。ずっと教えてもらう立場だったのが、逆の立場になったわけです。「学ぶ」ことを両方の立場から考えることは何にも代えられない経験になったようです。