新型コロナウイルス感染拡大によって世界の主要都市で医療崩壊やロックダウンが起きる中、東京はいつまで「ぎりぎり持ちこたえられる」のか。AERA 2020年4月13日号では、小池百合子東京都知事の現在の思いに単独インタビューで迫った。
* * *
「私が『感染爆発の重大局面』と申し上げたのが3月25日。さらに悪化しているという危機感をもっています」
4月2日夕のインタビュー冒頭、都内での新型コロナウイルス感染拡大の現状について、小池百合子知事はこう語った。
25日の記者会見で小池知事は「何もしないで推移すればロックダウン(都市封鎖)を招いてしまう」と発言。これをきっかけに、東京の「ロックダウン」はいつか、とささやかれるようになった。知事はどんな思いでロックダウンに言及したのか。
「私が言い出したのではなく、専門家の方が『オーバーシュート』や『ロックダウン』というカタカナの言葉をずっと使われていました。同時に、かなりの私権の制限を伴う都市封鎖を各国が実施した。中国ならやりかねないな、というのはみんなわかっていたわけですけども、イタリアの都市やパリ、ロンドン、ニューヨークにも広がり、みんな大変びっくりした。私のところには『どうしてもっと厳しくやらないのか』という催促や、『どうして国は早く緊急事態宣言を行わないのか』という声がどんどん届いています」
では、実際にやるのか。やるなら、どうやるのか。
「これ(ロックダウンの方法)は国の在り方の象徴みたいなところもありますので、都とすればできることは最大限やっていこうというのが今の考えです」
東京五輪は来年7月23日、パラリンピックが8月24日開幕にそれぞれ延期が決まった。率直な思いを聞くと、「正直ほっとしている」と答えた。
「最悪のケースは中止だった。これまでオリンピックに『延期』という選択はないんですね。4年がタームになっている中で、ゼロ・ワンという話になると、かなり厳しかった」
だが実際、来年までの終息は厳しいとの見方もある。知事もこれを否定しなかった。
「そうですね。厳しいけれども、これは人類にとっての挑戦だと思います」