――つるのさんにとって子育てとは?
自分を成長させてくれるものですね。毎日が勉強です。なので、ぜひ多くの男性に育児休暇をとってほしい。そもそも、「育児休暇」という名前が問題だと思うんです。実際にやってみたらわかりますが、全く休みなんてありませんから。要するに「家庭訓練」なんですよ。家庭でしか学べないことを経験して、社会に戻っていく。だから会社も、「勉強してこい!」って送り出すようなシステムをつくってあげれば、行きやすいじゃないですか。「休み」という捉え方だと、後ろめたさがありますよね。
――この際、選挙に出馬して政治家を目指すとかどうですか?
ないないない(笑)。この前、テレビで共演した橋下徹さんにも冗談で言われましたけど、僕はそもそもおバカタレントですからね。でも、底辺から変えていけることもたくさんあると感じています。保育士の給料が安いとか、キャリアアップとか、変えていかなきゃいけない問題はいっぱいある。既存の慣習をぶっ壊したいという思いはあります。
あとは、「結婚っていいものだよ」ということを伝えたい。もちろん一人で生きていくというのも選択肢の一つですし、それは尊重されるべきです。一方で、家庭をもつことも素晴らしいんだよと。それで子育てする人が増えることがスタートだと思う。そういうよいイメージを、メディアも巻き込んで発信していきたいです。
●つるの剛士(つるの・たけし)/1975年生まれ。福岡県出身。1997年に「ウルトラマンダイナ」(TBS系)でアスカ隊員役を演じ、2008年に「クイズ!ヘキサゴン!」(フジテレビ系)で「羞恥心」を結成し、リーダーを務める。09年にはカバーアルバム「つるのうた」が35万枚を売り上げるなど、アーティストとしても活動の幅を広げる。二男三女の父。
(聞き手・AERA dot.編集部・井上啓太)