――事務所には相談したのですか?
言えば反対されると思い、相談しませんでした(笑)。ベストファーザー賞に選ばれたときに、授賞式で報道陣に「来年の1月から休みます!」と勢いで“育休宣言”したんです。
――事務所に無断で!?
かなり怒られました(笑)。「聞いてないよ!レギュラー番組はどうすんの」と。ちゃんと相談すべきだったと反省しています。2回目の育休では、順番を守って、事務所の了承を得たうえで休暇をいただきました。
――仕事がなくなる恐怖心はありませんでしたか?
ありませんでした。自分で決めたことですし、それでダメならまた一からやり直せばいいと。でも、宣言したあとにたくさんの人に心配されて。芸人のフジモン(FUJIWARA・藤本敏史)さんには「もうお前あかんなー。戻ってきても、(席が)ないで」ってしつこいぐらい言われました(笑)。もちろんそれはギャグですが、そういう周りの反応をみて、恐怖感があとから湧いてきました。そんななかで、当時レギュラーだった「クイズ!ヘキサゴン」のスタッフさんが僕の等身大パネルをスタジオに置いてくれたんです。戻りやすい空気を作ってくれて、ありがたかったですね。
――育休で学んだことはなんでしょうか。
いろいろありますが、一番は奥さんの大変さや気持ちを理解できたことです。今では彼女の相談にも乗れるし、どんな手伝いが今必要なのかが言われなくてもわかる。奥さんの理解者が家の中に1人増えたということは、すごく大きなことだと思います。
――育休をとる前は、家事などは全くしていなかったのですか?
当時は自分なりに気を使って、手伝っている“つもり”でした。しかし今思えば、あんなのはやらない方がマシというレベルです。家事をやらない男って、「皿洗いをした」「掃除機をかけた」ってだけでドヤ顔する人もいますけど、違うんですよ。それだけじゃない。皿を洗ったら、排水口にはゴミがたまる。それは誰が捨てるの?掃除機で吸い取ったごみもそう。その後にもやることがいっぱいあるんですよ。中途半端にやってドヤ顔するもんだから、逆に女性をイラつかせるんです。そんなんだったら、やらない方がいいですよ(笑)。