「いろいろな健康法がいわれていますが、老化を防ぐためには、『頭や感情の若さ』を保つことが一番です」と語るのは老年精神医学に携わる国際医療福祉大学大学院の和田秀樹教授だ。氏に長生きの秘訣を聞いた。
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70歳の人と30歳の人では、歩く速さや読む本のレベルはそう変わりません。違いは、思いきり走ったり頭を使うときのマキシマム(最大限)の力と、「使わないときの衰え方」なんです
使わないことで本来持っている能力が退化することを、医学用語で「廃用」といいますが、廃用を起こさないために、意欲を持ち続けなくてはいけない。だからこそ、若くいたいと思えるかどうかが重要です。
では、感情をどうやって若々しく保つのか。簡単なのは「型」から入ること。ファッションに関心を持って服装を変えたり、スポーティーな車を買ったり。反則技かもしれませんが、植毛したり、ボトックスで額や眉間のシワを目立たなくしたり、ヒアルロン酸の注射で肌をやわらかく、ふっくらさせたりするのも一つの手段だと思います。
見た目が若いとそれに対する期待がかかるので、本人も外見の若さに応えようとする。よく、老人ホームでおばあさんに口紅を塗るとシャキッとするといいますが、事実なんです。
価値観もありますので、医者のいろいろな意見を聞いて「老いない方法」を選択するのも大事ですが、若々しく見える人たちを探してまねるのもおすすめですよ。たとえば吉永小百合さんは3年後、70歳です。目標にしつつ、研究してみるのもいいかもしれませんね。
※週刊朝日 2012年6月1日号