杉村氏は2005年の衆院選挙で最年少当選を果たした後、次期衆院選で落選。現在は投資家として活躍するほか、情報ワイドショー番組「サンジャポ」(TBS系)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレ朝系)などでコメンテーターを務めている。今では主婦層などに一定の影響力を持つまでになった杉村氏だが、当時、なぜ同商品のCMに抜擢されたのか。
テレビ局関係者が明かす。
「かつて通販番組に出演するタレントには『都落ち』のようなイメージが付いて回りましたが、東日本大震災以降、ギャラの良さや拘束時間の短さに惹かれて引き受けるタレントが急増。黒沢年男、松居一代、船越英一郎なども高額のギャラで出演していましたし、出演料の高騰が著しい。その点、当時の杉村氏はギャラが格段に安いうえ、そこそこの知名度があるということで白羽の矢が立ったのです」
実際、16年1月に放送されたCMを視聴してみると、スレンダートーンを使用し、ウエスト17.6センチ減に成功した杉村がイケメン風サラリーマンに扮して登場。胸下で切り取ったスーツを着用し、あらわになったおなかに同商品を装着しながら街を練り歩くという内容だった。
「杉村氏のCMは大好評を得て、(スレンダートーンは)世界販売台数780万台に達したといいます。しかし、消費者庁が『合理的な根拠がない』とする以上、彼のCMを見て購入した消費者は『だまされた』という感情を抱くでしょう」(前出・全国紙記者)
行政処分を受けた直後、オーク社はホームページで<本件表示により、お客様を始め関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます>と謝罪。さらに<今回の措置命令はあくまでも本件商品の広告表示に関するものであり、本件商品の品質自体を否定するものではございません>と付け加えた。
当の杉村氏を電話で直撃すると、
「タレントとしての広告期間は過ぎていますので、僕のほうから何かコメントすることはできないです」
との一点張り。違法性の認識については、
「少なくとも、僕の出演CMは違法認定を受けていない。僕は顧問弁護士やクライアントの電通さんを通して、綿密に相談しましたから」
と否定した。