「ハンドルを回したいだけの依存症だったら、長い時間できる1パチに行くはず。実際、1パチには金がなくても打ちたい年寄りが多い。そういう人は長時間いるから感染しやすいし、危ないね」

 パチンコに通い続ける理由について、男性は「生活の維持につながることもあるから」と話す。

「自分の給料は、世間でいう、一番下の方。1カ月で3万でも4万でも勝てば、新卒の初任給くらいにはなる。当たれば生活の支えになる」

 だが、当然ながらギャンブルはいつも勝てるとは限らない。その点については、

「負ける日もあるけど、1千円や2千円が、7千円になる日もある。それだけで1日の日給くらいになる。働いてるのがバカらしくなる」

 自身のギャンブル依存症は否定する。

「昔はやめられなくてパンクしたけど、今は金額を1日最大5千円と決めて打っている。生活に支障がないように、最低限の交通費だって残している」

 店内の喫煙所は、「狭くて人が密集している」と感じつつも、喫煙もパチンコも止めるつもりはない。

「コロナコロナ言うけれど、他の感染症だって怖い。結核患者は都内で年間3千人出てるって聞いた。インフルだってある。夏になったらデング熱。気にしていたら、キリがない。俺はこの年になって、コロナにかかろうが何だろうが気にしなくなった。がんだってこわいし、他の病気にかかるリスクもあるからね。(コロナにも)なる時はなるし、ならない時はならない。すべては自己責任。かかったら人生終わりだけど、かかるかどうかもギャンブルだよ」

 そう言い残し、別の店を偵察すると言って商店街に消えた。

 付近で営業していた別の店舗でも話を聞いた。

 店内から出てきた旅館経営者の60代男性は、「普段はパチンコはしないけど、今日だけ来た」と話す。この日に限って立ち寄ったのは、仕事の打ち合わせまでカフェで時間を潰そうとしたが、閉まっていたためだという。

「他にいる場所がない。店内で誰かと話すわけでもないし。自己責任でしょう」

 と迷いなく答えた。

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