竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社
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リモート時代、このような感じで記者の方も自宅でインタビューするそうです
リモート時代、このような感じで記者の方も自宅でインタビューするそうです

「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 緊急事態宣言が全面解除されました。リアルが大好きな私なので、リモート会議は当初なじめないような気もしましたが、今はその便利さから離れられなくなっています。

 同じエリアのオーナーのみなさんが集まるエリア会もリモートで5月から開催を始めました。これまでも可能な限り参加してきましたが、移動もあり、なかなか全国ヘは行けませんでした。ところが、リモートだと瞬時に東京から青森、大阪、千葉と飛び回れます。社内会議も同じ。海外も支障なく、また、縦、横、情報伝達も一気にできる。

 一方、課題もあります。隣に座る同僚に話しかけること、部下の様子を気にかけることも従来のやり方では難しい。孤独感も生まれやすく、工夫が必要です。チャット機能の活用なども有用だと思いますが、はやりのオンライン懇親会もたまには良いと思います。実践してみると想像以上に有意義な時間が過ごせました。

 昼間の会議と違い、冗談を飛ばしながらざっくばらんに話せるのはオンライン懇親会でも同じ。物理的距離があるはずなのに同じ空間を共有する気分になるのが不思議です。加盟店オーナーの方たちとも行っています。お勧めは、開催時間をしっかり決めること、そして参加者で1品2品程度同じものを飲み、食べること。もちろんローソンの商品です。同じ釜の飯を食べている気分になりながら、積極的に会話することで、一体感も生まれます。現場でうまくいっていることや悩みを共有できて、互いに励まされ、新しい挑戦に繋がる。

 未経験のウイルス禍で生まれた新しい習慣、リモートワーク。私も今は東京の店舗しか巡回できませんが、今後はリアルの活動も増やせるようになります。早く全国のお店にも顔を出したい。それまではリモートとのベストミックスを探るべく色々なことに挑戦したいと考えています。

AERA 2020年6月15日号