

新型コロナウイルスの専門家会議に議事録がなかった問題。作家の室井佑月氏が物申す。
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6月2日の共同通信によれば、「加藤勝信厚生労働相は2日の参院厚生労働委員会で、新型コロナウイルスを巡る専門家会議の初回と3回目に速記者が入っていなかったことを明らかにした」という。なんか、怪しい。
だって、専門家会議の議事録を政府が作成していないことがわかったのは、5月28日だ。
これは大問題だ。安倍首相は会見で、「専門家会議の助言を得て」、繰り返しそう語っている。が、それがほんとかどうか怪しくなってきた。
ほんとうに、専門家会議の助言により、全国の学校を一斉休校したり、アベノマスクを送ったり、我々に辛い自粛を強いていたりしたのかね?
今までのパターンであれば、逆も考えられる。安倍政権にこうしたいという意向があり、専門家である人がそれに合わせ、理由というか屁理屈(へりくつ)を作り出すということだ。
たとえば、モリカケ問題で、官僚が虚偽の答弁をしたのもそうだ(官僚はその分野に詳しい専門家ともいえよう)。
それが当たり前のようになってしまった今、もうこの国は先進国とはいえないのかもしれない。
専門家会議の議事録の話に戻す。
菅義偉官房長官は6月1日の記者会見で、会議には基本的に速記が入っているといっていた。つまり、議事録を作ろうと思えば作れるのだと。
しかし、2日の前出のニュースでは、「加藤氏は1~3回の専門家会議に関し『2回目しか速記者を入れていなかった』と語った」。
専門家会議は感染症の専門家や弁護士ら12人。2月の初会合以降、5月29日までに会議は15回。
この12人が、のちのち自分の責任を問われると困るので、議事録を残したくないといったのか?
いいや、違う。29日の会見で、専門家会議の脇田隆字座長も、尾身茂副座長も、「議事録をどうするかは、政府が決めることである」と述べている。