忙しい朝の時間、朝食は買い置きのパン一つだけなんてことも普通では。しかし、そんな朝食もスピード料理とちょっとした一工夫で、旅館風の豪華で健康的なものに変わると、料理研究家の行正り香氏が語る。
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旅館の朝ごはんは大人の夢ですよね。なにしろ、あのお盆がいい。丸や四角の素敵なお盆に、所狭しとたくさんの料理がならび「これであなたは今日の30品目クリアでしょう」と言わんばかり。だから、なるべく朝は旅館の朝ごはん風にしたいと思っています。
でも、ご飯を炊き、だしを取ってみそ汁を作り、魚を焼き、卵焼きを作る、なんて時間はなかなかございません。なので、私の場合、お盆と器は旅館風、のっているのはスピード料理、というのがほとんどです。
ただ、最近はおみそ汁のだしは九州のあごだしパックを取り寄せて作るため、かなり美味。じゃがいもに玉ねぎ、わかめに油揚げ。根菜類は圧力鍋で火を入れて、お椀からはみ出さんばかりによそいます。
和食はすごく健康的です。油も使わずおいしいものができるなんて、世界中を見てもなかなかありません。みなさまも、まずはお盆を購入し、"旅館風"に挑戦してみてください!
※週刊朝日 2012年3月30日号