「各校1試合しか戦わないですが、その1試合でも選手の伸びしろはわかります。特に投手ですね。コロナ禍でできるトレーニングは限られているので配慮しなければいけませんが、体格も変わりますし、球質を見てみたい。打者も結果は大事ですが、スイングがどう変わっているか楽しみです」
最も多くの注目を集めているのが明石商(近畿・兵庫)のエース・中森俊介と主将・来田涼斗だ。中森は昨夏の選手権大会で151キロを計測。制球も抜群で高校ナンバーワン投手の呼び声が高い。来田は打撃センスが抜群。昨年の選抜の智弁和歌山戦で史上初となる先頭打者弾、サヨナラ弾を放った。
スケールで言えば中森を超えると言われるのが、昨秋の明治神宮大会を制した中京大中京(東海・愛知)のエース右腕・高橋宏斗だ。最速150キロの直球は球速以上に威力があり、打者をねじふせる。高橋は慶大志望とされているが、プロのスカウトたちの評価は高い。
東海大相模(関東・神奈川)はプロ注目の強打者がズラリ。4番の西川僚祐は高校通算53本塁打、主将の山村崇嘉は同44本、加藤響は同32本、鵜沼魁斗は同27本と「156発カルテット」は破壊力十分だ。この他にも、将来が楽しみな素材が多い。球児が高校野球の聖地で見せるパフォーマンスを目に焼き付けよう。(梅宮昌宗)
※週刊朝日 2020年6月26日号