どちらの手術も、現在のところ実施できる病院は限られる。一般的にパーキンソン病は脳神経内科で診るが、DBSの手術は脳外科医が執刀し、デュオドーパの手術は胃の内視鏡治療ができる消化器内科医もしくは消化器外科医が担当する。つまり診療科を超えた連携が必要だ。

「DBSは認知機能が低下すると治療の適応条件から外れます。適切なタイミングで治療を受けるためにも、薬物療法による運動合併症が出てきた時点で、一度手術を実施している病院で話を聞いてみることをおすすめします」(同)

 DBSやデュオドーパは、手術をおこなうため、リスクを伴う。関東中央病院脳神経内科の織茂智之医師はこう話す。

「手術が不要で注目されているのが、『レボドパ・カルビドパ皮下注製剤』です。デュオドーパと同等の効果が得られる、と期待されています」

「レボドパ・カルビドパ製剤」を持続的に皮下注射することで、血中濃度を一定に保つ治療法だ。現在、臨床試験が始まっている。

(文・中寺暁子)

≪取材協力≫
順天堂大学順天堂医院 脳神経内科准教授 大山彦光医師
関東中央病院 脳神経内科統括部長 織茂智之医師

※週刊朝日ムック『新「名医」の最新治療2020』より

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