(イラスト/今崎和広)
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パーキンソン病データ
パーキンソン病データ

 厚生労働省が指定する難病の一つであるパーキンソン病だが、「L-ドパ製剤」などの薬を用いた薬物療法に運動療法を組み合わせることで、長く日常生活の質を維持できるようになってきた。しかし、進行に伴って薬だけで症状を改善するのが難しくなってくることがある。週刊朝日ムック『新「名医」の最新治療2020』では、そうした場合の選択肢の一つ、手術療法(デバイス療法)について専門医に取材した。

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 ドパミンを補う作用が最も高く、症状に効果的なL-ドパ製剤だが、服用後、薬の血中濃度が上がってから約半分になるまでの時間(半減期)が短いという性質がある。初期には3食後に服用すれば一日中効果が持続していたのが、治療期間が長くなると次の薬を服用するまでに効果が切れてしまう。

 この現象は「ウェアリングオフ」と呼ばれ、薬が効いている状態を「オン」、効果が切れてふるえなどの症状が出ている状態を「オフ」という。

 薬の量や服用回数を増やせば、オフの状態は解消するが、今度は薬が効きすぎて「ジスキネジア」といってからだが勝手にくねくねと動いてしまう不随意運動が起きる。

 そこで、ほかの薬を組み合わせてL-ドパの量を減らすなどして、ウェアリングオフやジスキネジアといった運動合併症を抑える。しかし、進行に伴って薬だけで症状を改善するのが難しくなってくることがある。そうした場合に選択肢となるのが、手術療法(デバイス治療)だ。

■脳深部刺激療法に薬と同様の効果

 順天堂大学順天堂医院脳神経内科で、デバイス外来を担当している大山彦光医師はこう話す。

「手術というと、病気が根本的に治ると思われる方もいますが、あくまで薬物療法の代わりです。主に二つの方法がありますが、どちらもオフの状態をなくし、一日中安定した状態を保つことを目的におこないます」

 一つ目の方法が、「脳深部刺激療法(DBS)」で、ドパミンが不足して起こる脳の神経回路の異常を、電気刺激によって調整する方法だ。2000年から保険適用となっている。

「ドパミンが不足すると脳の一部の回路が異常に興奮し、ブレーキがかかったように働かない状態になることで、運動症状が出ます。DBSは、回路を興奮させている電気信号を妨害する電気を流すことで、ブレーキを解除すると考えられています」(大山医師)

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