安倍晋三首相が苦境に陥っている。アベノマスクや検察庁法改正案に対する反発が高まり、6月の朝日新聞の世論調査では、内閣支持率が31%まで下落している。
「国会答弁でも言い間違えをするなど、明らかに疲れている。顔色もよくない。記者から体調不安について聞かれると秘書官が強く否定するなど、ピリピリした雰囲気です」(官邸関係者)
状況打開のカギを握るのが内閣改造だ。安倍政権は8~10月に内閣改造をすることが多く、今夏に人事があるのは既定路線。焦点の一つは二階俊博自民党幹事長の処遇だ。昨秋の人事で安倍首相は二階氏の交代を考えたが、二階氏に「憲法改正はやらなくていいんですね」とすごまれ、結局は留任を決めたと言われる。
「二階さんを幹事長から外すと、安倍おろしで自由に動けるようになる。石破茂元幹事長と連携されると非常に危険。結局は今回も二階さんは留任でしょう」(同)
もう一人の交代候補は、不仲がささやかれる菅義偉官房長官。菅氏は6月17日に二階氏らと会食。今後の政権運営について意見交換したとみられる。石破氏も月刊誌「文藝春秋」のインタビューで二階氏や菅氏との連携をほのめかし、“安倍包囲網”の地ならしを始めている。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は言う。