持続化給付金の申請サポート会場 (c)朝日新聞社
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事業者がもらえるお金 1/2 (週刊朝日2020年7月10日号より)
事業者がもらえるお金 1/2 (週刊朝日2020年7月10日号より)
事業者がもらえるお金 2/2 (週刊朝日2020年7月10日号より)
事業者がもらえるお金 2/2 (週刊朝日2020年7月10日号より)

 国や自治体が事業者を支援する給付金制度は、緊急対応措置として、マイナーチェンジが繰り返されている点に注意したい。典型例は、雇用調整助成金。コロナの影響で一時的な事業縮小を余儀なくされた場合に発生する、従業員への休業手当を助成する制度だ。

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「6月12日に成立した2次補正予算に伴い、助成額が従業員1人当たり日額8330円から1万5千円に引き上げられました。さらに、解雇等をせずに雇用を維持している事業者に対しては9割の助成から、10割に引き上げられました。簡単に言うと、一時的に休んでもらった従業員に1万5千円の休業手当を支払っている事業者は、まるまるその分の助成が受けられることになります」(ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏)

 この雇用調整助成金は5月19日に手続きが簡素化され、6月12日に助成額を拡充。だが、そのほかにも細かな制度変更が繰り返されたため、申請受け付けは17万件(6月15日時点)にとどまる。4月分の雇用調整助成金を受け取ったうどん店経営者Bさん(40代)が話す。

「緊急事態宣言が出されてから1~2週間後に雇用調整助成金を申請しようとハローワークへ行ったら、列をなしていて、なんと3時間待ち。控室では、『こんなところで待たされたら、コロナになっちゃうよ!』といら立つ人があふれていました。4月10日に加藤勝信厚生労働大臣が省令を改正して、手続きの簡素化と支給までの時間が短縮、助成額のアップが決定したのに、窓口となるハローワークの担当者には具体的にどう簡素化されるのか、といった通知がなかったようで混乱していたのです」

 そのため、早くから動いた人ほど、申請に多くの時間を費やしたという。

「何月何日に誰が何時から何時まで出勤して、給与はいくら支払うといったことを記した休業計画書を提出しなくてはならなかったのですが、4月の段階ではすべて手書き。さらに、従業員と交わす休業協定書も用意しなければならなかったので、急遽、労働組合をつくりました。ベテランのスタッフを組合の代表に指名し、協定書に判子を押してもらい、そのほかのスタッフには協定書を見せながら、代表に協定内容の協議を一任する委任状に判子を押してもらいました」(Bさん)

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