また、選挙区で当選できず、比例復活しかないという国民の議員は、立憲で選挙をすれば惜敗率が非常に低くても当選できるので、何でもいいから統合してほしいと考える。逆に比例復活の立憲の議員は、国民からの合流が増えると自分が比例復活できなくなるという理由で統合阻止に動く。
さらに、連合の支持がなければ当選できない議員も多く、連合の各産業別労組の利権との関係で政策論が混乱する傾向もある。
各議員の当落があらゆる課題と関連するため、統合問題は、そう簡単には解決できない。れいわまで話を広げればなおさらだ。
過半数を狙うのなら、それを相当超える数の候補が必要だが、10月選挙の日程を考えれば、今すぐ結論を出しても遅いくらいだ。もたつけば自民の準備が進み、維新も40議席を狙う態勢ができる。一方で有権者の野党への期待は、苛立ちへと変わり、やがては失望へと転化するだろう。
もはや時間がない。立憲の枝野幸男、国民の玉木雄一郎両代表は、泥をかぶって党内を説得し、一身を賭す覚悟で英断を下すべきだ。
※週刊朝日 2020年7月17日号