山口県の村岡嗣政知事は怒り心頭の様子で7月17日に急きょ、記者会見し、「心当たりのある人は保健所に相談してほしい」と呼びかけた。
ことの発端は、愛知県警が同月11日に窃盗の疑いで逮捕し、コロナ感染が確認された自称、YouTuberのへずまりゅうこと、原田将大容疑者(29歳)が山口県に滞在していたこと。
原田容疑者の感染を知った17人から相談があり、全員をPCR検査した結果、2人が陽性だった。原田容疑者は山口県内で人を集めたり、居合わせた人に一方的に接触して、YouTubeで画像をアップしていたという。
「いったい、何てことしてくれるんだと」と村岡知事。
社会秩序を乱すような行為を動画で撮影し、YouTubeで配信する人たちは、迷惑系YouTuberと呼ばれる。原田容疑者もその1人で自称していた。
原田容疑者は5月29日、愛知県岡崎市のスーパーマーケットで魚の切り身を手にして、レジで支払いをせずに食べ始め、その模様をYouTubeアップしていた。店から通報があり、愛知県警は7月11日、滞在先の山口県山口市で身柄を確保、窃盗容疑で逮捕した。その後、愛知県警岡崎署まで移送したという。
原田容疑者の発熱、体調不良が確認されたのは7月13日。岡崎署で朝に検温したところ、37・1度。翌14日に37・6度と熱があがり、PCR検査したところ、コロナ感染がわかった。
「愛知県から山口県まで身柄確保に出向いたので10人ほどの捜査員が動いている。原田容疑者の感染が判明する前後に急に捜査員らが、ノドが痛い、倦怠感があるとの申告が相次いだ。原田容疑者の感染が判明してから、取り調べ担当の捜査員など3人が感染していることがわかった」(捜査関係者)
当初、原田容疑者を収容した際、留置場にはもう一人、男性の収容者がいたという。前出の捜査関係者は怒りをこう隠せない。
「実はこの男性も感染していた。原田容疑者は留置場ではマスクを希望しなかったので、つけていなかった。留置場や取調室は逃走防止が重要なので、壁に囲まれ、空気の流れは悪く、三密だ。よけいに、コロナ感染が拡大したのかもしれない」