大分県別府市の北東に隣接する日出町(ひじまち)。そこに住む江本優子容疑者(35)がスーパー駐車場から「買い物の間に車で寝ていた娘がいなくなった」と110番通報したのは、昨年9月13日午後2時頃。県警による大捜索が繰り広げられたが、2月5日夜になって自身が死体遺棄容疑で逮捕された。供述どおり町内の雑木林から娘・琴音ちゃん(当時2)の人骨などが見つかった。
義父母によれば、数日前から優子容疑者の不眠や食欲不振が続き、5日朝に夫から事情を問われ、死体の遺棄を告白したのだという。
マスコミは夫がフェリー乗船で留守がちだったことを取り上げ、育児や孤独の悩みが犯行に結びついたかのように報じているが、本当だろうか。
夫方の親戚が振り返る。
「小1の長男は落ち着きのない多動性の障害があるそうで、訓練学校にも通わせたが、医者からは『だんだん良くなる』と言われて安心していた。車には後部座席のチャイルドシートが見える専用ミラーを付けたり、子ども用の飾りを付けたりと人一倍可愛がっていた」
優子容疑者の母親も言う。
「(死亡した)孫娘は足腰が弱かったが、筋力がつけば大丈夫と医師から言われ、実際に急ぎ足ができるまでに成長した。育児も孤独も、普通の母親によくある程度ではないかと思います」
これまで優子容疑者は、
「9月13日朝、2階で寝ていた息子が『妹に毛布をかぶせた』と話した。見に行くと息をしていなかった」
と警察の調べに話し、その信憑性を含めて裏付けの捜査が進められている。
優子容疑者のウソは、いったい誰のためだったのだろうか。
※週刊朝日 2012年2月24日号