「聖子には数多くのヒット曲があるのに、なぜ持ち歌でもない『上を向いて歩こう』を選んだのかは疑問だね。せっかくの娘とのデュエットなんだし、やはりなじみのあるヒット曲を一緒に披露してほしかったよ」

 もちろん、曲の選定に関しては、紅白の一大テーマである「大震災からの復興」へのエールという意味合いもあったのだろうが、
 「あの曲をバラード調にアレンジしてしっとりと歌われても、聴いているほうは元気にならないですよ。収穫といえば、沙也加が思ったより歌がうまかったということをアピールできたくらいじゃないかな(笑い)」(音楽関係者)

 さらに、聖子と沙也加の中継参加自体が失敗だったという見方もある。

「大物と呼ばれるアーティストでさえも本番前日、前々日のリハーサルに参加して他の共演者と絡んだり、囲み会見に応じたりして話題作りをしていたのに、中継というのもいただけない。実際、全体リハーサルでは、AKB48やKARA、芦田愛菜といった人気者同士が親交を深め合ったり、和田アキ子とユーミンが談笑したりして注目を集めていたからね」(前出のレコード会社幹部)

 本番前には、かつての恋人・郷ひろみ(56)や、かねて不仲説が伝えられる和田アキ子(61)との"絡み"にも期待が集まったものの、結局、こちらの"共演"も実現せず、視聴者の関心を欠いたようだ。

 ルックスや歌唱力だけでなく、数々のスキャンダルをバネにトップ歌手の地位を築いた聖子だけに、本番前の話題作りにはもう少し精力を注いでほしかった?

週刊朝日

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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