本誌が先週号(11月11日号)でスクープした自民党の国有地無償利用問題。自民党本部の土地の所有者が財務省(3306・48平方メートル)と衆議院(1320・02平方メートル)に分かれていて、前者には年間8970万円の賃借料を支払っているが、後者にはこの半世紀近く、一銭も払われていなかった――という内容だ。

 この問題について、自民党の石原伸晃幹事長は11月1日の会見でこう語った。

「党本部側より衆議院事務総長に対する使用の申し入れがなされて、それに基づいて衆議院側が使用を認めてきている。衆院議員がそこに車を止めているので、問題ないと考えています。国会議員や諸官庁が駐車場として使用するのであれば、無償ということには合理性がつくのではないかと思います」

 一般国民にはその「合理性」はよくわからないが、この取り決めは継続するという。さらに「合理性の担保」としてこう言うのだ。

「私は東京都連の会長も兼務していますが、東京都連の宣伝カーはそちらには絶対に止めないようにとの指示を、絶えずきめ細かく出してきました」

 本当にそんな指示が出されていたのか。

「聞いたことがない。都連の街宣車が止まっていたのも見たことがある。都連どころか、衛視さんと顔見知りの秘書OBは、近所に用事があるときに衆議院側の駐車場を使っているからね」(自民党関係者)

 実態は、自民党関係者の駐車場なのだ。

 これについて自民党は先週号で、「契約書がある」と本誌に回答した。しかし、今週になると一転して、こう回答を翻した。

「契約関係がないため(契約書は)存在しません。前回、事情をよく知らないものが電話によるやり取りで誤解を生じた経緯があるとすれば、お詫びします」

 そもそもこの土地は行政財産。つまり「国の事務事業として行政上の目的のために所有する土地」(財務省理財局)なのだ。各省庁の庁舎などがこれに該当する。

「自民党も衆議院も、痛いところをつかれたと思っている。恩恵を受けていない民主党は徹底追及するようです」(永田町関係者)

 久々に民主党の"野党らしさ"が見られそうだ。

週刊朝日