三浦も仕事以外のよりどころがあれば……と考えてしまう。挫折しない子役が増えるなか、昔の子役のような葛藤をあくまで内に秘めつつ、どこか古風で破滅的な死への衝動を抱えてしまっていたのだろうか。

 ただ、子役から活躍した三浦は芸歴が長く、作品が数多く残されている。じつは現在、筆者の地元ではTBSの時代劇「水戸黄門」の32部が再放送中。これを書いている前日には、13歳の彼が出演した第3話「おらが蕎麦は日本一」を見ることができた。

「太陽の子」のあと、9月15日からは、死によって中断した最後の連ドラ「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS系)も計4回の特別編集で放送される予定だ。作品のなかで、三浦春馬は生き続ける。

宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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